読書メモ

年間100冊読んでみて思ったこと②

・はじめに とうとう師走になってしまった。しかし今年もなんとか年間100冊を読むことができた。とはいえ、「100冊読んだ」なんて虚仮脅しに過ぎないと自分でも思う。一週間に大体3~4冊のペースで読んでいれば自然と一年間に90~120冊にはなるのだから、土…

「夏目漱石における恋愛の倫理」

『三四郎』から『それから』『こころ』へ ・はじめに(問いそのものについて) 『三四郎』を読んでいる最中にとても気になった部分がある。それは小説のなかで美禰子が三四郎に向けた「われは我が咎を知る。我が罪は常に我が前にあり」(『三四郎』岩波文庫 …

教科書の小話

僕は小中高ずっと授業の時間が好きではなかった。 退屈でしかなかったし、板書を写すことすら億劫だった。予習・復習なんてもってのほか。だから当然テストの成績が良かったことはほとんどないし、それは大学生の今でも変わらない。基本的に「やらされる」こ…

春休みの読書感想文①

春休みが終盤に入ったので、この期間に読んだ本のうち4冊について感想と考えたことを書こうと思う。ちなみに、この記事はただの自己満足でしかなく、思いつきの文章でしかない、一介の読書人による暇つぶしである。 前回の『年間100冊読んでみて思ったこと』…

サルトルの論争、丸山眞男、そして有川浩『明日の子供たち』

「飢えて死ぬ子供の前で文学は有効か?」 この有名な一節は、1964年にジャンポール・サルトルがLe Mondeのインタビューで「言葉」について発言したことであり、文学界をはじめとして論争を呼んだ話題だ。このことについて解釈を加えるなら、サルトルは文学を…