2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

郊外の共同体、マルクス的解釈

・はじめに 高度経済成長期を経て日本全体が都市化の一途を辿り、核家族やホワイトカラーや郊外のニュータウンなど現代的な生活スタイルとも呼ばれるそれが当たり前になって久しい。団地の多い東京郊外で育った著者自身にとってはもはやそれこそが故郷であり…

休学とこの時代

・はじめに 「世界が慌ただしい」 そう感じるようになったのは、僕自身が少しばかりモノを知るようになったからかもしれない。どの時代も様々な変化があり、年がら年中“激動の時代”と言われてきたのだろう。しかしそれにしても、この時代は今日の大学生にと…

サルトルの論争、丸山眞男、そして有川浩『明日の子供たち』

「飢えて死ぬ子供の前で文学は有効か?」 この有名な一節は、1964年にジャンポール・サルトルがLe Mondeのインタビューで「言葉」について発言したことであり、文学界をはじめとして論争を呼んだ話題だ。このことについて解釈を加えるなら、サルトルは文学を…