2014-01-01から1年間の記事一覧

東京郊外を旅する(光が丘-高島平-多摩ニュータウン)

・概観 1.旅の前の予備知識 2.漫喫の夜 3.光が丘団地 4.ロードサイドで考える 5.高島平団地 6.多摩ニュータウン 7.角田光代『空中庭園』について 1.旅の前の予備知識 都市社会論や郊外論をいくつか読んでいて徐々に分かってきたことがある。…

郊外について、序

まるで水彩画のように滲んだマリンブルーの空が、幾何学的な鉄筋コンクリートの塊によって切り取られている。両側にそびえたつ団地に挟まれた坂道を歩きながら、この町のことについて考えてみる。青梅街道に突き当たって、あらためて目の前の風景をじっくり…

年間100冊読んでみて思ったこと

大晦日まで約1か月を残して年間読書量が100冊を突破した。ということで、今年の読書経験を振り返ってみようと思うが、その前に読書そのものについて少し書いてからにしよう。 僕は基本的にどんな形式のものでも読む。大衆小説、純文学、詩、ラノベ、新書、…

郊外の共同体、マルクス的解釈

・はじめに 高度経済成長期を経て日本全体が都市化の一途を辿り、核家族やホワイトカラーや郊外のニュータウンなど現代的な生活スタイルとも呼ばれるそれが当たり前になって久しい。団地の多い東京郊外で育った著者自身にとってはもはやそれこそが故郷であり…

休学とこの時代

・はじめに 「世界が慌ただしい」 そう感じるようになったのは、僕自身が少しばかりモノを知るようになったからかもしれない。どの時代も様々な変化があり、年がら年中“激動の時代”と言われてきたのだろう。しかしそれにしても、この時代は今日の大学生にと…

サルトルの論争、丸山眞男、そして有川浩『明日の子供たち』

「飢えて死ぬ子供の前で文学は有効か?」 この有名な一節は、1964年にジャンポール・サルトルがLe Mondeのインタビューで「言葉」について発言したことであり、文学界をはじめとして論争を呼んだ話題だ。このことについて解釈を加えるなら、サルトルは文学を…

このブログを始めるにあたって

新しく始めよう このブログを始めるにあたって、その趣旨や方向性などをいくつか述べておきたい。まずは僕の関心が変わっていく度に記事のテーマも変化していくということだ。なぜなら、僕は現時点では学部生であって様々なことに興味を持っているのだから、…